題詠短歌 明日の果物

061:懇
あの頃は懇ろだったはずなのに
わずかな雨で渡れぬ橋に

062:々
野晒しの勝鬨橋は日々五回
可動していた面影も無く

063:憲
家憲には9条無くて争いの
家路の橋は黒雨に消えた

064:果実
長雨に近づく秋の紅葉橋
梨にしようか明日の果物

065:狩
出会い橋時雨を急ぐ紅葉狩り
女橋には鬼女の群れが