題詠短歌 たどり着くのか

046:沖
神立の沖に向いて架かる橋
見えない陸にたどり着くのか

047:審
さす傘を黒雨の橋で不審げに
はらり落として笑って泣いて

048:凡
凡庸な橋らも雨もあの人も
隅田の四季に風情を変えて

049:順
橋渡る人も車も梅雨明けて
順風満帆船も私も

050:痴
涙あめ伊勢の宇治橋渡れども
痴情の日々を洗えぬままに